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【宮崎市】汲み取り式トイレを水洗化するには|下水道・浄化槽の2ルートと補助制度

【宮崎市】汲み取り式トイレを水洗化するには|下水道・浄化槽の2ルートと補助制度

宮崎市内には、いまも汲み取り式のトイレをお使いのお宅が残っています。「そろそろ水洗にしたい」と思っても、何から手をつければよいか分かりにくい工事です。理由は、やり方がお住まいの場所によって変わるから。宮崎市の制度に沿って順番に整理します。

 

30秒でわかるまとめ

・水洗化の分かれ方は「公共下水道・農業集落排水へ接続する」か「公設合併処理浄化槽を設置する」かの2つ。どちらかは住所・区域で決まります

・公共下水道の供用開始区域で汲み取り便所をお使いの場合、原則として処理開始から3年以内に水洗便所へ改造することが下水道法で定められています

・公共下水道への排水設備工事は、宮崎市下水道排水設備等指定工事店へ依頼します

・宮崎市の助成金も融資あっ旋も、着工前の申請が条件です。工事のあとでは使えません

1.まず「自宅がどちらのルートか」を確かめる

宮崎市は大きく、公共下水道・農業集落排水を利用する区域と、公設合併処理浄化槽を利用する区域に分かれます。後者の対象は「公共下水道事業計画区域および農業集落排水施設の処理区域を除く、市内全域」で、範囲はかなり広いのが特徴です。

ただし、下水道の計画区域内でもまだ供用が始まっていない場所など、個別確認が必要な場合があります。下水道が使えるようになる際は市から「公共下水道への接続のお願い」などが届きますので、まずはお手元をご確認ください。

・公共下水道:宮崎市上下水道局 給排水設備課 排水設備係 0985-26-7512

・公設合併処理浄化槽の対象地域・申請:PFI浄化槽宮崎株式会社 0985-73-9700

・浄化槽制度全般:宮崎市 環境部 環境衛生課 0985-40-2422

2.ルートA:公共下水道につなぐ場合

※ここでは公共下水道を中心に説明します。農業集落排水の区域は手続きが一部異なるため、給排水設備課へご確認ください。

台所・風呂・洗濯機・トイレの汚水を、宅地内の排水管と汚水ますでまとめ、公共ますへつなぐ工事です。これを排水設備工事といいます。公共下水道で処理を開始すべき日から原則3年以内に汲み取り便所を水洗便所へ改造することが下水道法第11条の3で定められており、これは案内ではなく法律上の義務です。ただし同条では、水洗便所に改造していないことについて「相当の理由」が認められる場合、改造命令について例外が設けられています(条文は、建物が近く除却・移転される予定である場合や改造資金の調達が困難な事情がある場合などを例示しています)。個別の事情がある方は、放置せず上下水道局へご相談ください。

この工事は、市の指定を受けた宮崎市下水道排水設備等指定工事店しか施工できません。指定工事店が現地調査・設計・見積りを行い、契約後は「排水設備等新設等計画確認申請書」を代わって提出。完成後は上下水道局の完了検査があります。

下水道につなぐと不要になる汲み取り便槽は、廃棄物処理法に基づいて撤去します。市の委託業者に汲み取りを依頼し、空にしてから撤去する流れです。建物に影響が出て撤去できない場合は、汲み取り・清掃・消毒のうえ底部に穴をあけ、砂で埋め戻します。

公共ますから宅内側は個人の財産にあたるため、工事費は自己負担です。

3.下水道ルートで使えるお金の制度

水洗便所改造等資金助成制度(令和7年4月1日〜令和12年3月31日)

汲み取り便所からの接続なら工事費の2分の1で上限12万5千円(世帯の市民・県民税が非課税の場合)、または上限10万円(世帯全員の市民・県民税の合計が8万5千円未満の場合)。合併処理浄化槽からの切り替えは上限8万円/6万円です。

要件は、受益者負担金の滞納がないこと、他の公的助成を受けていないことなど。世帯全員の住民票と課税証明書が必要で、着工後の申請は不可です。

水洗便所改造資金融資あっ旋制度

便所1か所につき40万円以内、2か所以上なら100万円が限度。返済は借入月の翌日から60か月以内の元利均等払い。取扱いは宮崎銀行、宮崎太陽銀行、信用金庫、労働金庫、JAなど。最新の取扱金融機関は申請時に宮崎市へご確認ください。

見逃せないのが利子補給です。供用開始の公示から1年以内の完了なら利子の100%、2年以内なら80%、3年以内なら50%が完済後に補給されます。3年超は補給なし。申込みは指定工事店を通じた確認申請と同時で、着工後は不可です。

4.ルートB:公設合併処理浄化槽を使う場合

宮崎市には、市が所有者として浄化槽を設置し、月々の使用料と引き換えに保守点検・清掃・法定検査まで市が行う公設合併処理浄化槽事業があります。設置と維持管理はPFI浄化槽宮崎株式会社が運営。対象は算定人員30人槽以下の住宅などで、事前に対象地域かの確認が必要です。

費用は、設置時に1回納める分担金(設置費の約1割)と毎月の使用料です。

・5人槽(延床130㎡以下) 分担金89,000円/使用料 月3,880円

・6〜7人槽(延床130㎡超) 分担金103,000円/使用料 月4,080円

・8〜10人槽(2世帯住宅など) 分担金130,000円/使用料 月5,030円

浄化槽本体と放流管、ブロアの設置はPFI浄化槽宮崎が行い、浄化槽までの宅内配管、水洗トイレへの改造、ブロアの電源工事は申請者側の工事です。

この宅内配管工事には、汲み取り槽や単独処理浄化槽からの転換であれば工事費の3分の1(上限10万円)の補助が予算の範囲内で用意されています。こちらも着工前の申請が前提です。なお、個人で浄化槽を設置する場合の補助は現在の宮崎市の案内に掲載がありません。着工前に環境衛生課へご確認ください。

5.工事費の目安

前提:木造住宅・トイレ1か所・掘削の障害物なし・税込。敷地の広さ、配管距離、床下の傷み具合で上下します。

ルートA 公共下水道へ接続する場合

・トイレの解体、床下地・内装のやり替え 15〜30万円

・洋式便器(温水洗浄便座付)と給水配管 15〜30万円

・屋外の排水管、汚水ます、公共ますへの接続 15〜40万円

・便槽の汲み取り・清掃と撤去(埋め戻し) 5〜15万円

小計は50万〜115万円。台所・浴室・洗面もあわせて接続する場合は、さらに20万〜50万円が加わります。ここから、要件に合えば助成金(上限12万5千円)と利子補給が使えます。

ルートB 公設合併処理浄化槽の場合

浄化槽本体はPFI側の工事です。お客様の負担は、宅内配管工事30万〜60万円、トイレ改造工事30万〜50万円、ブロア電源工事3万〜8万円で、小計は63万〜118万円。これに市へ納める分担金(5人槽89,000円)が加わり、合計は約72万〜127万円です。宅内配管には上限10万円の補助が使えます。

いずれも現地を見なければ確定しません。宮崎市も3社見積りでの検討を案内していますので、相見積りは遠慮なさらずご判断ください。

6.工事は「便器の取り替え」では終わりません

床を解体して下地を組み直し、給水管を引き、勾配を確保した排水管を新設し、便槽を処理する。これが水洗化の実際です。長年の汲み取り式では床下の木部が傷んでいることも珍しくなく、解体して初めて分かる部分もあります。現地調査の精度が仕上がりと金額を左右します。

せっかく床と壁を触るのですから、段差の解消、手すり、引戸への変更、内装を同時に進めると後戻り工事がなくなり、結果的に割安です。温度差対策も同じ機会に。あわせてトイレの寒さ・温度差対策のコラムもご覧ください。

7.つまずきやすい3つの点

(1)助成金・融資あっ旋・宅内配管補助は工事のあとから申請できません。順番は「相談 → 申請 → 着工」です。

(2)公共下水道の排水設備工事は指定工事店以外では施工できません。安さだけで選ぶと、申請そのものが通りません。

(3)公共下水道または農業集落排水の処理区域となって3年を経過すると、し尿くみ取り料金に1回482円の特別区域付加が加わります。また公共下水道では、処理開始の公示から3年を超えて完了した場合、融資制度の利子補給は受けられません。待つほど負担は増えます。

まとめ

水洗化は、ルートの確認から始まり、制度の申請、施工、検査という順に進みます。

判断材料は「どのルートか」「いつまでに」「いくらかかり、いくら戻るか」の3つ。図面がなくても、住所が分かれば調べられます。まずは現地を見せてください。

出典

宮崎市上下水道局「下水道について(よくある質問)」/「水洗便所改造資金融資あっ旋制度について」/「宮崎市水洗便所改造等資金助成制度について」/「下水道排水設備等指定工事店一覧」

宮崎市「公設合併処理浄化槽」/「浄化槽設置等に伴う補助」/「浄化槽について」/「し尿くみ取り」

下水道法第11条の3

※本記事の金額・期間・要件は上記時点の公表内容です。制度は年度により変更される場合があり、また予算の範囲内での実施となるものがあります。適用の可否は必ず宮崎市の担当窓口または当社にご確認ください。第5章の工事費は、記載の前提条件によるの目安であり、建物の構造・敷地条件・仕様・材料費上昇等により大きく異なります。正確な金額は現地調査のうえお見積りいたします。

江坂設備工業株式会社/リフォーム&増改築えさか(宮崎市橘通西5-2-33) 宮崎市下水道排水設備等指定工事店 45201S0010 宮崎市指定給水装置工事事業者

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